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悲しき差別
月夜「…。」
雪蛍「どうして黙っていた?」
雪花「責めないから言って。」
月夜「…あなたたちは知っていますか?
外国では、日本が[えた]など差別している時…。
外国でも肌の色の違いや、植民地と、人を人と扱わず、物として扱われている人達が多いのです。
日本でも植民地にした韓国などにも、物として扱ったんです。
そのせいの怨念かと思われます。
平成となり、日本では平和かも知れませんが、人と扱われていなかった人達にしてみれば、怨念とならざるをえないでしょう。」
坦々と話し、二人に顔を向けた。
月夜「…そう言う私も、さんざん差別されました。
その苦痛は、わかっています。
差別されて苦しくて…。弱い私はどうにもできずに八つ当たりしました。
でも気付きました。
結局、仲間を傷つけあっても、両方が辛いだけで差別は終わらないと…。」
悲しく下に目を向けて、ひたすら喋った。
雪花「…そっか…。」
雪蛍「…月夜。
お主は途中で気づいてくれたからこそ、今の強いお主がいる。
よく気づいてくれた。」
そう言うと、優しく頭を撫でた。
すると月夜は、自然と涙を流し、泣いた。
雪蛍「…辛かったな。
…ようやく話してくれたな。
お主はいつも何かを抱え過ぎだ。
たまには吐き出さなければ、お主はお主でなくなってしまう。
ずっと絶えてたのだな…。」
月夜は、安堵したからか、眠ってしまった。
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