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「それもどうだろうね?」
ラクスはそう言って、イリアから離れ、10メートルほどの十分な間合いを取る。
「魔法でアナタに負けるはずが無いじゃないですかラクス。まぁセントリア学園Sクラスに居る以上、それなりの実力は要しているようですが、所詮、落ちこぼれの付け焼き刃でしょう」
「さぁ、それはどうかな?」
「どうかなんてありません。下級精霊を使い魔にしている時点で、アナタの実力は目に見えています……『刹風(サップウ)』」
イリアがそう言った瞬間、魔力で構成された風の無数の刃が、ラクスに向かって発射される――
「『水壁(スイヘキ)』」
ラクスがそう言いと、ラクスを囲うように、水の壁が出現する――
ズシャーン
イリアの風の刃と、ラクスの水の壁が激突し、水しぶきが舞う――
「やはり、魔法を使えるようになりましたか」
自分の攻撃が防がれたにも関わらず、顔色一つ変えずイリアは言う。
「まぁね。これもフェリのおかげだよ」
「フェリ? あの下級精霊ですか」
「そうだよ。それにしても、何でフェリが下級精霊だってわかったの?」
「私の使い魔が教えてくれました」
「へぇ、だろうと思った。やっぱり上級精霊なんでしょ?」
「当たり前です。後、あまり無駄話しはしたくないのですが」
「同感。だけど、最後に一つ提案。"六年振り"の"兄妹喧嘩"しない?」
「同感!!」
イリアはそう言うと、詠唱し始めた――
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