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30秒が経った。
だが、二人には動く気配がない。
すると、ラクスが沈黙の中、口を開いた――
「二刀流……なんですか?」
ラクスは口元に笑みを浮かべながら、イリアに向かってそう言った。
確かに、イリアは両手に一本ずつ、研がれていない剣を持っていた。
「いえ。一本はアナタのですよ」
イリアも口元に笑みを浮かべながらそう言い、持っていた剣を一本、ラクスに向かって投げ渡した――
「わかってますよね?」
ラクスが剣を受け取ったのを確認すると、イリアが聞いてきた。
「もちろん」
ラクスがそう言った瞬間、二人は消えた――
ガギィィン――
二人が消えたと同時に、二人の間のほぼ中間点に二人は剣を交えた状態で現れた――
ガギィィン――
ギィンギィン――
ガギィイン――
鳴り響く金属音。
二人は現れては消え、現れては消えを繰り返していた。
「腕は落ちてはいないようですね」
現れては消えを繰り返していた二人は、元居た場所に戻っていた。
「知ってるだろ? 俺は"昔から"剣術は得意なんだ」
「ムカつきますね。一方に縮まらない剣術の差が」
そう言ったイリアはまた消えた――
ガギィィン
消えたイリアはラクスの目の前に現れ、ラクスはイリアから放たれた斬撃を、"片手だけ"で剣を持って防いだ。
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