хⅢх~お買い物、そして学園入学~

26/37
前へ
/91ページ
次へ
    「俺を越えようてしたのかい? 剣術で。それは無理というものだよイリア。元々、男と女では体の造りが違うんだ。今だって、君の"両手"の斬撃は、俺の片手だけの剣で止められているだろ?」     「チッ……」    イリアは舌打ちをし、一旦ラクスから離れた。     「力なら負けますが、剣技では負けません」    10メートルほど離れたイリアは、そう言って剣を正面に構えた。         「負けるさ」    突如、ラクスがイリアの前に現れた――     「なっ!?」    驚愕するイリア。    それもそのはず、今までイリアはラクスの動きは完全に見えていた。    だが、今の動きはイリアの動体視力では確認出来なかった――     「負けるさ。力でも剣技でも、剣術"だけは負けられない"からね」        バキィィン        ラクスはイリアの持っていた剣を、自分の持っていた剣を使って、イリアの剣の横腹にぶつけ、"砕いた"――     「まぁ剣術って言っても刃が研がれていない剣だからね。もはや、鈍器と言った方がいいかもしれないし、それによって技術は半減すだろうけど、それはお互い様。剣術では、絶対俺が上だ」    ラクスはそう言って、自分が持っていた剣を投げ捨てる。     「まぁ、結果は目に見えていましたが、今回はただの私の悪あがきです。剣術では負けましたが、私は魔法では絶対に負けませんよ?」    イリアは不敵な笑みを浮かべてそう言い、刃のない剣を、ラクス同様投げ捨てた。    
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

448人が本棚に入れています
本棚に追加