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すると、二つの巨大な手は手を広げた。
そして、その手の平からまたも巨大な魔法陣が展開された――
「それが貴方の最強の魔法ですか?」
「それが貴女の最強の魔法ですか?」
二人の言葉が被った。
そして、二人は微笑み、それが合図だったかのように、イリアは巨大なフェニックスをラクスに向かって放った――
ドゴォォォオン!!
闘技場中に爆音が響いた。
ラクスが張ったバリアは見事全て割れ、爆風と熱気が闘技場を包みこんだ――
黒煙が立ち上る中、一人の生徒がステージから降りてきた。
ラクスだ。
しかも、ラクスの後方には巨大な白い二つの手が何かを優しく包み込むようにしていた。
「えっと、キム……先生でしたっけ? 一応、俺が勝ったみたいなんでよろしくお願いします」
ラクスは今だ唖然としているキムにそう言って、巨大な白い手を従えたまま、近くのベンチへと向かっていった――
▽
「ラクよ……そなた少しやり過ぎではないか?」
怪訝そうな顔をして、イヴフェリカがラクスに言った。
「そう? でも良かったじゃん。ここの生徒さん達は、即座に防御魔法を詠唱して、爆風からの被害を防いだんだからさ。怪我人は、爆心地にいた一人だけだし」
ラクスはそう言って、巨大な白い手が包みこんでいた何かを、あらわにさせた――
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