448人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはようイリア。怪我の具合はどう?」
「どうも凄腕の魔法使いさんが手当してくれたみたいで、どこにも異常はないですね、ラクス」
「それは良かったじゃないかイリア。不幸中の幸いだね」
「そうですね。"お互い"本気を出さなくて本当に良かったです」
「そうだね」
嫌味を言っているようにしか聞こえない二人の会話。
そして、二人は不適な笑みを浮かべながら睨み合った。
そして、二人の視線が交差する最中、最初に口を開いたのはラクスだった。
「そこに鎧を纏って座っているのはイリアの使い魔かな?」
ラクスはそう言って、イリアの横に座っている、人型の鎧を纏った精霊を見た。
「そうです。見ての通り人型で、階級は上級。属性は火。名は《マサムネ》です」
「へぇ、上級精霊か。よろしくね、マサムネ」
ラクスは笑顔でマサムネにそう言った。
「貴方が主の……主共々よろしくお願いします」
マサムネはなかなかの渋い声でそう言って、ラクスに会釈した。
「ほら。フェリもマサムネを見習って挨拶しなよ」
ラクスは隣にいるイヴフェリカにそう促す。
「私はイヴフェリカだ。属性は光。階級は下級だ」
イヴフェリカは、何故かムスッとしながらマサムネに言った。
最初のコメントを投稿しよう!