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「そういえばラクス。今日はどうなさるんです?」
そうイリアは、突飛に何かを思い出したようにラクスに言った。
「今日? 何かあったっけ?」
何も心当たりがないラクスは、イリアに聞き返した。
そんなラクスに、イリアは溜め息をつく。
「はぁ……ラクス。今日は年に一度の《精霊召喚》の日ですよ? 昨日ジーク先生が言い忘れてたじゃないですか」
「ゴメン、イリア。俺、流石に言い忘れてたことは知らないや」
自分は何も間違っていないにも関わらず、何故か謝るラクス。
「それはすみません。ですが、どうなさるんですか?」
「俺はいいよ。俺には家族同然のフェリがいるし」
「あのですね、ラクス。私達Sクラスの精霊召喚の授業には、他のクラスの方々が見学に来るのです。一応やっておいた方がいいと思いますよ? "今後の為"にも」
「今後の為って、何かあるの?」
「この学園には、大規模な魔法大会がありまして、その闘いに精霊の参加は不可欠ですので、戦闘用の精霊を使い魔を契約しておいた方がいいと思いますよ?」
戦闘用の使い魔……か。
確かにフェリを戦場に連れては行きたくないからなぁ……
「ねぇフェリ。フェリはどう思う?」
「私は人型で、なおかつ女型じゃなければ、別に構わんぞ」
「そう? なら、この機に"三体目"の使い魔を呼んじゃうかな」
そう言うラクスは、何故か笑顔だ。
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