プロローグ

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漆黒の空に輝く月。 その真下にある一つの巨大な建物。 古城、というべきだろうか。 だが、月明かりに照らされているにも関わらず、それは黒くしか見えない。 月明かりが差し込む廊下には、誰もいなかった。 「よく集まったな、我が同志達よ」 ある、真っ暗な部屋に声が響いた。 まだ若さが残るが、重い男の声だ。 「時は、すぐそこまで来ている」 声は続けた。 「我等は今度こそ、全てを手に入れる。この世界に平和をもたらすために……!」 「我が君、我等六人の命はそのためにあります」 今度は別の低い男の声が響いた。 「……」 「……なんだぁ? 何か言いたそうだなぁ、新入り」 また別の声がした。 笑いを含めたような男の声だ。 しかし、返事はない。 「おぃおぃ……新入りが生意気だぜぇ? 餓鬼がなーにクール気取りしてんだぁ?」 曇った笑い声がした直後だった。 銀色の光が突如現れ、次の瞬間爆音と共に部屋の壁を一人の影が物凄い勢いで突き破った。
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