65人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
ししょ~事、泉 誠の屋敷から飛び出しその魔の手から逃れる四音は前半、全力疾走をし続けたせいか今はハァハァと息を切らしながらのろのろ走りしばらくすると繁華街の大通りだと言うのに立ち止まり手を膝に付き肩で息をしている。
「・・ハァ・・ハァ・・・ハァ…さ・・流石にまだ此処まで来ないよね…ι」
四音は、首だけ振り返り疾走して来た道を見てから膝から手を放しゆっくりと歩き出した。
擦れ違う観光客や商人の服装を目で追ったり、出店や露店に並んでいる物を止まって眺め手に取ったりとまるで先程まで恐ろしい魔の手から逃れていた者のようには見えなかった。
「ぁ。そういえば…、朱留君にさよなら言ってない…ι今日は、お店来てるかな~。」
いつの間にか買っていたのであろうか、四音は右手には綿菓子を2つ持ち片方には食べ掛けの物を合わせて林檎飴が3つあった。
これではまるで観光客となんら変わらない。
そして、ふと気がついたかと思うと大通りから一歩脇へ入った道を進み始めた。
最初のコメントを投稿しよう!