任務No.2~プロローグ~

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任務No.2~プロローグ~

 蒼い風が時折吹き抜ける、高い岩や崖に囲まれた道を、一人の少女が歩いていた。年は十代の半ばくらい。長い銀髪を青いリボンで結んでいた。背に担いだ直刀は長く、黒い鞘に納まっていた。 「おいランス、まだ回復しないのか?」 彼女の周りを飛んでいた箒が話しかけた。 「まだよ、リアード。あれほど戦ったら、嫌でも魔力は減る」 ランスと呼ばれた少女は刀の柄に触れて、 「いずれ、貴方か<直魔刀>を狙って、また誰かが戦いを挑んでくるかもしれない。今は、次の国に着いて体制を整えるのが先決よ。選択の余地なんて無いわ」 そう言って、リアードを無視してまっすぐに前を見て歩き出した。
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