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1時間前、ランスとリアードは1人の銃器使いの旅人に、リアードを譲ってほしいと言われた。しかし、ランスは丁重に断った。
「どういう経緯でリアードを知ったのか知らないけど、彼はあたしに不可欠な存在なの。手放すつもりは無いわ。退いて。じゃないと、あたしは貴方を斬る」
「どうしても手放す気は無いのですね」
「ええ。さっきから何度も申し出ているんだけど…」
「オレ、悪い事には使われたくねーな」
リアードは小さくぼやいた。
旅人は少し呆れたように、小さくため息をついて太ももに装着しているホルスターから大口径のリヴォルヴァーを抜いた。その狙いはまっすぐランスに向けられた。
「もし、貴方が本当に私の申し出を聞き入れてくれないのなら、私は貴方を殺してまでも、リアードさんを手に入れなければならない」
ランスはもう面倒くさくなり、旅人の宣戦布告を受け入れることにした。
「いつまでもしつこい奴ね。あたしを殺したいのなら、殺せばいいわ。まぁ、その後全ての責任は貴方に課せられるけど…それでもいいのね?」
そして、背に背負った<直魔刀>に手を掛け、そしてーー戦いの火蓋は切って落とされた。
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