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そんな警戒心を抱く山田を前に、悠斗は、おとなしく書類にサインをし、次の資料に目を通した。
少しホッとした山田は、この先の手続きの為、笑顔で悠斗に質問する。
「悠斗君、君レベルは何処から行こうか・・・?流石に元のレベルスタートってのは厳しいと思うんだけど…」
ニッコリ微笑む山田は嬉しそうだ、きっとこの人もそれなりの魔術師なのだろう。
だが、情報収集や下調べの完璧さに関してはいまいちらしい。
「レベル?最下位の1からでいいケド・・・。」
「「・・・・」」
悠斗の言葉に二人は、数秒沈黙する。
何も言わない山田に、悠斗は顔を上げた。
いったい何を期待していたのだろうか?
レベルを聞いた時点でなんとなく予想していたが、悠斗は分からないフリを決め込み、首を傾げる。
その悠斗の素振りに山田は、自分の手帳を取り出して、ペラペラとめくり、探していた場所を見つけると、ぱたっと閉じる。
「悠斗君、しらばっくれてもダメですよ!」
悠斗は、何の話しだか分からない様子で、再度首を傾げる。
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