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「知り合いではない。」
ただ今、町の中を歩く刈谷悠斗(カリヤユウト)16歳は、後ろから、知らないおっさんにかれこれ20分程、付けられている。
さっきの呟きは、ショーウインドウを見るフリをして後ろのおっさんを確認した。
はじめは、ストーカーかと思ったが、悠斗は、特別美少年なわけではないし、記憶する限り、今まで、その手のタイプに好かれたことは無い。
ごくごく普通の高校生・・・。
では、ナゼ付けられている?
確かに少しだけ家は金持ちだけど、誘拐するにしては、この年の男子を一人で狙うのはチョット現実的じゃない。
……不思議だ。少し首を捻り、髪の毛をいじってみた。
とりあえず、ここの先の角曲がってみるか・・・。
悠斗は走る事に決めると、結構なハイペースで、ビルとビルの間の細い路地を曲がった。
チラッとだけ後ろを確認してみるが、当然、奴も走ってきた。
男に追われるなんて……なんだか複雑だ。
最近、いや昔から人に恨まれる様な事はしていないつもりだ。
まぁ、あくまでも自分の記憶のある範囲内では!と言う話になるが……
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