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「いたっ」
廊下を歩いている最中、突然魔王マクベスはすれ違った魔物と肩がぶつかってしまう。
「ってぇな……何処見て歩いていやが……!?」
その魔物は顔に大きな目が一つしかなく、上裸の筋肉質な魔物であった。
因縁をつけようとしたのだが、相手がマクベスだと気付いた途端恐怖に身を震わせてしまう。
「す……しゅみません魔王様! 私が余所見をしていたばかりに!!」
直ぐさま土下座をする魔物をマクベスはぽかんと口を開きながら見ていた。
「えっと、君の名前は?」
「え、あ、はい! 私はタウルと申します!」
タウルは土下座を続け、叫びながら答える。
マクベスは頭をぽりぽりとかきながら対応に困っていた。
「あ、別に良いよタウル。僕も悪かったわけだし……ごめんね」
マクベスは会釈をしてその場を後にした。
一瞬、命が無くなる事も覚悟したタウルだが、拍子抜けした表情でマクベスの背中を眺めていた。
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