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「さぁ、マクベス様。我々に命令を与えて下さい」
オークはマクベスの方へ振り返り、ひざまずく。
すると周りにいた魔物達も同様に片膝を立て、頭を下げた。
マクベスはオールバックの白髪をポリポリとかきながら周りを見渡す。
「え~……あのぅ……
僕は長い間壺の中に閉じ込められていました。と言うよりも、壺の中で生まれ育ちました。皆さんが知っている魔王マクベスは僕の祖父にあたります」
マクベスの言葉をオークを含む魔物達は身動きせずに聞いている。
マクベスは少し恥ずかしくて赤面しながらも続けた。
「祖父から外の話を沢山聞きました。君達魔物のこと。混沌の覇者と呼ばれた祖父自身のこと。勇者のこと。
そして、世界征服のこと……祖父は世界征服を目標に頑張って来たことも伺ってます。200年前に勇者にその野望が打ち砕かれたとしても、とても大きな目標を持つ祖父のことを僕はとっても凄いなと思いました」
下を向きながら魔物達はまるで子供の感想文のようなマクベスの話に多少なりとも困惑していた。
しかし、各々は人間討伐の命をウズウズしながら待っている。
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