その後、そして……

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泡を吹いていたトーマスを見て、リルムは慌ててナースコールで医者を呼んだ。 駆けつけてきてくれたのはジャックである。迅速な対応あってか、トーマスは直ぐにまた復活し、大事には至らなかった。 「ふぅ……リルムちゃん、聞いた話だと、先程タウル殿にも同じことをしたそうだね。気をつけてくれ、病人に飛びつく癖は……」 ジャックはため息を付きながら厳重注意をするのだが、リルムは笑ってごまかしていた。 無邪気なリルムの顔を見て、どこか暖かい気持ちになったのか、ジャックはリルムの頭を叩いて部屋の外へ歩き出す。 「じゃあ、一通りの処置はしたので、また何かあったらいつでも呼んでください。 私はこれで……」 ジャックはそう言って一礼し、部屋を後にする。 「……心配かけてしまったみたいだな、リルム。 ……すまなかったな」 依然として、トーマスは包帯でぐるぐる巻きにされた体であったが、その顔は満面の笑みを浮かべている。 「そんな顔で謝るな……説得力0に等しいぞ! 嬉しいなら嬉しいと言えば良かろう!」 「……ははは。そうだな。 嬉しいよ。もう見れないと思った顔が今、目の前にあるんだからな」 それからリルムとトーマスは2人で、太陽が天に昇るまで他愛も無い話で盛り上がる。リルムは、眠気が限界に達したとき、すやすやとベッドを枕代わりにして寝息を立てだした。
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