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丁度時刻が昼ごろに達している頃か。とにかく太陽は頂上で輝いている頃である。
マクベスは魔王城の屋根のてっぺんから、ヴァンヌ島全域を見渡していた。
そして、目を太陽の昇ってきた東の海岸へと移す。いや、正確には東の海岸の先にある半島を見つめる。
その頃、東の半島では1人の少年がヴァンヌ島に建ちそびえる巨大な城を見ていた。
その少年はさらさらの金髪、碧眼に整った顔立ち。白いマントを靡かせて、腰には剣と盾を装備している。
「魔王マクベス。あそこにいるのか」
金髪の少年は握りこぶしを作り、高鳴る胸を押さえながら静かに身構えていた。
辺りには波の音しか聞こえない。不気味なほどの静けさが漂う。
それはまるで嵐の前の静寂のよう――。
「――何かがいる」
東に見える半島には、何か特別な存在がいるとマクベスは本能的に察知する。
マクベスは風を遮るモノが何も無いほど高い位置に立っているのだが、どういう訳か無風に近い状態である。
「――近いうちに何かが来るのかな?」
「――近いうちに必ず乗り込んでやる!」
二つの意志がぶつかり合うかのように、一瞬風が吹き荒れて、2人のマントを大きく靡かせた。
――――To be continued.
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