6916人が本棚に入れています
本棚に追加
ぽかんと魔物達は時が止まったかのように動かなくなってしまった。
「……魔王マクベス様。何を言っているのですか?」
棍棒を持った魔物は開いた口が塞がらなく、魔王を見つめている。
「それは勇者の剣であろう! 我を倒しにここまでたどり着いたか!」
魔王マクベスは握りこぶしを作り、臨戦態勢に入ろうとする。
すると、魔物達はざわざわと騒ぎ始めた。
棍棒を持った魔物は恐怖のあまり尻持ちをつきながらガタガタと震えだしたのだが、魔王マクベスは周りの反応に困っていた。
「……あれ、今変なこと言った?」
魔王は赤面して、鎧の隙間に隠していたメモ帳をぺらぺらめくりだす。
「あれぇ? 目の前に武器を持った奴が現れたら勇者で、持っている武器は勇者の剣なんじゃなかったっけ?」
魔王はしゃがみ込み、小さくなりながら後ろを向いた。
最初のコメントを投稿しよう!