出会い

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 僕の幼馴染みであり、同じ高校に通う東圭吾が、笑って立っていた。圭吾は小さい頃からよく遊んでいる仲で、兄弟のように育った。なので、気心が知れている。 「あの3人、なんだったと思う?」  そんな質問に対し、圭吾はギャハハッ…と、これはまた豪快に笑う。…そんなにおかしかった…のかなぁ…? 「お前って、相変わらず鈍い奴だなぁ!自分が有名人ってこと、気がついてないのか?」  有名人?何のことやら…。 「この前、陸上の全国大会があっただろ?その時にたくさん写真撮られて…陸上専門雑誌にも載っただろうが」 「あ…」  そうだった。取材を受けさせてくれ…って、いくつか申し出があって…。監督からOKがでた出版社から、取材やら写真やら…いろいろ受けた気がする。  僕が載っている雑誌を、母さんが買ってきて…。同じものを、父さんも買ってきたっけ。1冊ならともかく、3~4冊、同じのがあった気がする…。  姉貴は姉貴で、新聞から切り抜きをしてたなぁ…。
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