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僕はテレビとか雑誌に載るのって、すごく恥ずかしいけど…。
身内にしてみれば、すごく誇らしいみたいだ。
照れる僕をよそに、家族がはしゃぎまくっていたのを覚えてる。
「自分のことになると、鈍感だよなぁ、望って。でも、そこが望のいいところか。自分のこと、鼻にかけないしね」
そう言って、圭吾はニッコリと笑う。
昔から変わらない、人を安心させる笑顔。圭吾の笑顔をみてると、こちらも自然と笑顔がこぼれてくるから不思議だ。
「…圭吾って…不思議なヤツだよなぁ…」
なんて呟いたら、『望のほうが不思議だよ』と言われてしまった…。
【○月×日
晴れて青空が広がる中、長距離（高校の部）の全国大会が行われた。
２０回目となる今年、優勝を飾ったのは、天城南高校２年の海藤望くん（１７歳）。
高校に入学してから陸上を始めたというが、そうとは思えないほどの、堂々とした走りをみせた。
『走る事は楽しいです。優勝したことは、もちろん嬉しかったことですが、何よりも自分らしく走れた事が最高でした』
と、本人は語る。】 ◇△新聞より
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