第1話

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肩まで伸びた漆黒の髪、 猫の様な濡れた黒い瞳に 薄い唇。 すらりとした高い背丈に、 日本人離れした長い四肢、 華奢な骨格。 紅葉の方は もう少し目を優しくして、 背を小さくした風だ。 そんな美人が目の前に二人。 雪はもう仕事どころではない。 「なぁ、楓兄。  ホントにオッサンも来るの?」 「まぁ、そう言うなよ。」 不満気な紅葉を宥める楓。 今日は最近、同居し始めた 紅葉と彼の彼氏の家に お泊まりする日。 事の発端は約一ヶ月前に遡る。
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