その2 日払いワーク

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ものすごいスピードで週刊誌が流れてくる。 それを数冊ごとにまとめて箱に入れる。 僕は慣れず、しかも素手でやっていたら、雑誌の角で手を切ってしまった。 ポタポタ血ながしながら、少女雑誌をまとめてゆく。 周りは何も教えてくれず、自分から、ああ、手袋買わなきゃならないんだって、初めて気が付いた。 夜勤。 1日やって、翌日に一万円。 興奮で何とか1週間は続けたが、嫌になってしまった、あまりに暗く、つらく。 でも住む所もない。 大宮のカプセルホテルに寝泊まり。 家族の暖かい愛から、一転して殺伐の世界。 働かなきゃ、住むとこ探さなきゃ。 その両方を満たす仕事を、ふと「フロム・エー」で見つけたのだった。
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