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板橋区は坂の多い街。
僕は地獄の9区と言われる区域の配達を任される事になる。
何が地獄かと言うと、とにかく団地だらけなのだ。
勿論エレベーターなどない。
とにかくひたすら、階段を上り続けて配達。
冬でも凄い汗。
体重はいきなり6キロ落ちた。
(上野の歓楽街をノホホンと配達してるのは何て楽だったんだろう)
今更、である。
後がない。
予備校は、3日しか行かなかった。
4駅先だし、電車賃を払えば遊ぶ金が無くなる。
そう思ってた。
自転車で行っては、疲れて授業は全部寝てしまう。
結局、どんどん自堕落になった。
配達して寝て、夕刊配ったら飲みに行く。
そんな繰り返し。
一年間は、僕は辞める事ができないのだ。
それが新聞奨学金という制度だし、それを望んだのは自分だし。
色々な事は、あった。
童貞を捨てた池袋のソープ。
初めて覚えたディスコ。
先輩をぶん殴った。
なんやかんやで、ようやく1年は経過したのだった。
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