その2 日払いワーク

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高校時代は入試全滅。 予備校に通う事になった僕だった。 実際始まって、何かつまんなかった。 高校時代全く仲良くない奴と同じクラス。 つるんでた奴らは、午後のクラス。 しだいに、クラスから足が遠のいた。 親には申し訳なかったが。 加えて、物理がレベル高すぎて、ほとんど何を言っているか理解出来なかった。 色んな事重なって、しだいにパチンコ屋に出入りするようになる。 全く勝てやしないんだけど、何だか居場所が無くって。 親とも日に日に折り合いが悪くなる。 1つ上の姉は、とっくに大学生活を送っていたのもあり、余計居場所が無かった。 いっそ死にたいなんて考えた。 全く自分の進みたい道が見えなくなってしまった。 そんなある日、どういう偶然か、宝くじが当たってしまったのだ! 夕方のスーパータイムっていうニュースを見てた。 僕はたった3枚ほど、宝くじを買っていたのだ。 とても利己主義な性格な僕から、友達が離れていっていた。 遊ぼうと電話したら、忙しいとのこと。 一人で街をぶらついていたら、駅の反対側を楽しげに歩く友達を見かけてしまった。 何だか言葉も出なくて、放心してたら、ふと宝くじスタンドが目に入った。 (嫌なことあったし、次はいい事あったりして) そう思い、ポケットに入ってた千円で、年末ジャンボ300円を3枚買った。 そんないきさつがあった僕の宝くじ。 さて、一等の発表だ。 アナウンサー「さて一等は、1647…」 (アハハ、ここまでは一緒だな♪) アナウンサー「…93***です!」 ………えっ……… あ…当たってる… 父 母「うそぉ~。見間違いなんじゃない?」 アナウンサー「もう一度読み上げます。1647…」 …間違いなく、全く同じ数字。 家中一瞬パニック。 父はよこせ、もとは俺のやったこずかいだと言い出すし、てんやわんや。 結局、確かに番号は当たってるが組違い。 組違いって、10万だった。 5千万円とは大違い。 でも19才の僕には大金だ。 父も、10万なら自分で使えと、よこせとは言わなかった。
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