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基地に踏み込んだショウは半ば砂に埋もれたソレを引き抜き、高らかに天に掲げる。
「勝ったーっ!!」
「くそーっ!」
水の入った500ミリペットボトル…。
それを奪う事ができれば勝ち、と言うルールだったのだ。
ショウの周りに参加者が集まった。
「やったな!」
タクミがショウの肩を組む。
ショウは照れくさそうに笑った。
「もう一回やろう。
やりたい人、手挙げて」
コウキが言うと、その場にいる全員が手を挙げた。
組み分けのため円になり、グーかパーだけのジャンケンをしようとした時だった。
「ねぇ、何してるの?」
少し前から少年たちの様子を見ていた少女が輪の中に入って来た。
ショートカットに黒のジャージ姿で男子に間違えられてもおかしくない。
彼女は同じ学年の「アミ」と言う名だ。
「秘密警察」
「…ケイドロのこと?」
アミは僅かに首を傾げた。
「警察と泥棒」と言う鬼ごっこの一種だと思っているらしい。
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