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「……」
レイルはニュースに興味がなくなりテレビを消す。
「レイル」
ふとメアの平淡な声が聞こえた。
「わかってる」
先ほどから外に止まった車から、ある人物がこっちの事を伺っている。
「チッ……こんな朝っぱらから何のようなんだ?あいつは」
レイルは頭をかきながら外に出た。
*
「……」
車の中で1人の男が息を殺し、レイルの住居である廃れたビルを見つめている。
「おい」
車の男の体がビクンっと跳ねる。
「……バレた~?」
車に乗った男……サイが引きつった笑みを浮かべた顔で、車の外に立つレイルの方を見た。
*
「なんでいつも車からこっちを見てるんだ?」
事務所兼住居のソファで、サイを目の前に座らせ話ている。
「いや~いつも気を張っていないとさぁ~。いざって時にメフィストなんて相手できないだろ? その訓練さ!!」
そういってサイは胸を張った。
「お前に訓練してもらう理由はない」
サイの方ではなく窓の外に目を向けている。
「君の担当は、俺なんだからさ~君には稼いでもらわないとね!!」
「で、本題は?」
レイルは今回サイが来た理由を聞いた。まぁ聞くまでもないが
「その話はちょっと待ってくれ。あと1人足りないからさ」
そうサイがいった時だった。
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