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狸小路と古びた看板がついた街に、光が灯るが道に人の気配がほとんどないその街を歩く人影がひとつ……
「えっと」
高校の制服に身を包んだ少女……リコである。
(うぅ~……怖い~)
端から見ても怖がっているとわかるぐらいキョドっている。
(で、でもみーちゃんを捜さないと……)
みーちゃんとはいなくなった彼女の友人である。
リコはレイルに捜索を頼んだのだが、自分でも捜しているのだ。
(だ、だってみーちゃんは私の大切なお友達だもの……他人任せじゃいけない……でも)
リコの脳裏に浮かんだのは、昨日街を探し歩いていた時に見た惨劇……赤黒い川と元々は人だった破片。
「うっ!!」
今思い出しても吐き気がする……
「で、でも、そ、そんな簡単に何回も会うもんじゃないと思うよ!! うん!!!」
自分で自分を納得させた。その時……
「!!!!」
ガタン!! とすぐそばで何かが落ちる音がした。リコの背中にダラダラと冷たい汗が流れる。
「ゴクッ……」
唾を飲む音が大きく聞こえる。
(な、ななな何の音か、かな~)
全身がガタガタ震えるが、音の元がなんなのか知りたくなるのは人の性というもの、恐怖をこらえて音がした店と店の間を見る!!
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