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ブー……ブー……と、レイルのポケットに入れていた携帯が震えている。電話番号は非通知……
「……もしもし」
『あ!! もしもしレイル!? 俺!! サイだよ~!!』
無駄にテンションの高い声だ……レイルはイラッとしたが大切な情報の可能性もあるので耐えている。
『なぁなぁ……リコちゃんどこにいるか知らない? お前の事務所でたあと、どこいったかわかんなくなったんだよ~』
レイルは無意識に目の前の少女を見た。彼女は子犬のような瞳でレイルを見ている。
「……旧狸小路商店街にいる」
『えっ!! ……マジかよ…まずい……まずいぞ』
なにやらサイの声があたふたし始めた。
「……どうした?」
『怒らず聞けよ……彼女な……実は大切な書類の書き忘れがあったんだよ』
まさか……と最悪の状況をレイルは考える。
『彼女が死んだら……報酬は……パァ……』
「!!」
レイルにしては珍しく驚いた表情を浮かべた。
『しかも今旧狸小路商店街だろ? そこにはclassEとDの目撃が多いんだよ』
今回は速やかに目標メフィストの撃破が必要だ。しかも早ければ早いほど、報酬もランクアップの可能性も高い。つまりは彼女を家に送っていたら間に合わない。
「……チッ」
(そうなると……一番いい方法は……)
(依頼遂行と同時に彼女を守るんだ……君ならできるハズだね)
確かに一番手っ取り早い方法だ。
しかし……
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