67人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、あの~」
「……なんだ」
前を向いたまま歩く。
「どうして急に」
「お前に死なれると困る状況に陥ったからだ」
質問が終わる前に返答する。
「へっ? 私が死んだら困る状況……ですか?」
チラッと少女の顔を見ると、どういう意味かわからないという顔をしている。
「ああ、さっきまではお前が死のうと死ななかろう俺には関係なかったが……」
リコは「死のうが死ななかろうが関係ないって……」と呟いているが返答するのも面倒なので無視。
「お前が書類の書き忘れをしたせいで、死なれると報酬が手に入らなくなった」
レイルはめんどくさそうに説明した。
「?……書類の書き忘れ?」
リコの頭の上にハテナマーク浮かんでいる気がする。
「さっき言い忘れたが……」
「いたっ!!」
レイルがフッと止まり振り返るとリコがぶつかった。
「きゅ、急に止まらないでください!!」
「!!……すまない」
(なんで俺は謝ってるんだ)
疑問に感じたが口にはださなかった。
最初のコメントを投稿しよう!