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「やれやれ」
暗い路地はレイルも歩き去り、静まり返っている……ハズなのだが。
「んっ?」
ス――…ス――…
寝息が聞こえサイがそっちに目をやると、高校生ぐらいの少女が倒れている。
「生存者……ねぇ」
サイは面白そうは目を細めた。
「一応メフィストの可能性があるかな?」
時に人の体の中にメフィストは寄生している。
ハンターはそれがないよう、特別な薬を処方しているが……
「……可能性は摘んでおくか」
サイは薄い笑みを浮かべながら右手を振りかぶる、するといつの間にか一振りの刀が右手に収まっていた。
「やれやれ面倒だな」
少女の首にサイの凶刃が……
「……おや」
防がれた。間に入った綺麗に装飾された大剣によってだ。
「ふふふ……やっぱりいましたね」
サイは近くの暗がりに声をかける、そこに何かいた。
「……」
暗がりにいる何かがしゃべったようだが聞き取れない。
「……ふふふ、私を舐めないでもらいたいですね」
右手の刀は現れた時と同じように唐突に消えた。
「つまり《こちら》の方が?」
「……」
また暗がりにいる何かがしゃべったようだ。
「クックッ…ハハハハハ!!そうですかこの方が……フフフ」
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