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「……」
暗がりにいる何かの言葉は、やはり聞こえない。
「どうしただって?いえいえなんでもないんですよ……なんでも……クックッ」
サイは笑いを堪えるように、背中を震わせている。
そして絞り出すように暗がりに声をかける。
「……フフ…どうやら物語は動きだしたようですよ……《エデン》…」
*
レイルは自分達が事務所を構える建物の前で、ふと後ろを振り返る。
「……気のせいか」
(誰かに見られてたような気がしたが……)
「入らないなら閉める」
メアはそう冷たく言うと、本当にドアを閉めようとしたが
「待て」
ドアの間に足を入れ中に入る。
中はテレビ、その前にソファが2つ、机と椅子がありパッと見るとボロくさい探偵事務所みたいだ。メアは奥にあるドアから寝室に消えた。
「……」
レイルはソファの前で腕に付けていた、剣を袖から出す機械…BSS(ブレードスライドシステム)を外す。
メフィストの血は払ったが、少し刃こぼれしている。
(そろそろ変え時か)
レイルがおもむろに壁に触った。
ガコン!! という音とともに開いた壁の中には大量の武器がある。
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