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白く綺麗な警視庁の廊下を2人の男が歩いていた。
1人は小太りに頭がハゲかけの男、もう1人はピッチリした黒のスーツを着た男だ。
「また行方不明ですか」
黒のスーツの男……ユウキ・タジマは隣を歩く男に話かけた。
「そうだな。今度は何人消えた?」
「20人です。確認される人数ですが、実際はもっと多いでしょう」
ユウキは渋い顔で答えた。
連続人間消失事件
約92年前から増え続けている、行方不明者の事である。
「まぁ俺達には関係無いことだな。だいたいあの事件は全部特課がもってちまうからな…」
ユウキは押し黙っているが手はギュッと握りしめている。
(決して関係無いことじゃない……人が消えているだぞ……いつ周りの人が消えるかわからないのにこいつは……)
怒りがフツフツとわいてくるが顔には出さない。
「お、噂をすればなんとやら……特課だ」
そうハゲかけの男がいった。
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