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「面倒くせぇーな。勝手に轢かれやがってよ」
なんとも身勝手な言い分を喚き散らしながら男達は地面を掘り進める。
自分たちが車で跳ね、100m近く引きずった挙げ句ボロボロになった制服を纏った少年を埋める為の穴を。
――こんな大人にだけはなりたくないな……
自分はもう大人になる事はないのだが、と、こんな状況なのにも関わらず妙に冷静な自分に少年は苦笑する。
「あれ? こ、こ、この死体、今、笑った?」
「あぁん?」
二人の引き埋め犯が少年の顔を覗く。
微かだが血まみれの頬がピクピクと動いていた。
「い、い。生きてるよ! やっぱり生きてるよ!」
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