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此処は何処? 私は何故ここに? 私は誰? 風が全てを吹き消してしまったのだろうか… 立ち止まり振り返る。 風は時間さえあの空に吹き飛ばしてしまった。 太陽が近づいてくる。 空が落ちてくる。 近づいて、近づいて 美しい死、視が今までの日々と共に近づいてくる。 今までの記憶が一気に押し寄せてくる。 協会、家族、娘のバイオリンの音、全てが… 太陽に目を閉じて 永遠の幸せを夢に見ながら祈る。 祈りを捧げた後にまた道を見ると階段がある。 ずっとずっと上まで続いている。 私は階段を昇る。 ずっとずっと、下が見えなくても昇る。 辿り着いた場所は一面が白銀の世界。 あるのは協会みたいな所と周りの山。 私は協会に向かって歩く。幸せを夢見て。 私は天国へと続いている階段を昇った。 ずっとずっと、幸せと家族の所を夢見て。 私は一言、「今行くよ」 と一言呟き、協会に入った。
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