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ー綺麗な銀髪…
初めてランスさんを見た時、そう思った。
ある日やってきたその人は、側近援護(ニアパートナー)を連れていた。私はそのことに一瞬驚いた。
普通、「翼ノ集巣」に入ると階級が与えられ、その段階でその人にあった側近援護が付く。でも、ランスさんは違いました。
聞いた話だと、ランスさんは何年か前に側近援護であるリアードさんと出会い、それ以来二人は行動を共にしていたらしいのです。しかも階級は「五芯翼」の<銀翼>なんです。私は<焔翼>だから仲良くしたいなって思いました。
でも、その時のランスさんはとても細く、死んだような眼をしていました。しばらく彼女は集中治療室で精神を安定させていました。
しばらくして、私が資料室にいるとリアードさんを連れてランスさんが入ってきました。彼女は本棚から適当に一冊取り出すと私のところに来て、
「…隣、いい…です、か…?」
と言いました。
「あたし、まだここに来たばかりだから…集巣内の事は、貴方が一番知っているって聞いたから…」
私は、とりあえず自己紹介はしとこうと思ってランスさんに初めて話しかけました。
「私はパフィン、パフィン・オーギュスト。集巣内の事は全部私に聞いてください。貴方の名前は?」
「…ランス・ベルニア」
「ランス…槍って意味なのね…よろしくお願いします、ランスさん」
「こちらこそ、よろしく…」
この出会いが私の運命を大きく変えた出来事になったと気付いたのは、もっと後になってからでした。
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