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鐘
ブクブクブクブクッ
水の中で、俺は滑稽に踊る。
凄い流れだ。上も下も分からない。
くそったれ!!くそったれ!!
俺は、何度も何度も叫び続ける。
お前が、選んだんだろ。
そんな、声が聞こえる。
そのどこからともなく聞こえてくる声に、俺はやはり罵声を浴びせるしかない。
くそったれ!!くそったっっ........ぶっ!!
もう空気が無くなってきた。
俺は、力なくうなだれる。
そして俺は、鐘がせわしなく響きわたる水の中で最後にこう思った。
――――もう一度、あの子のポタージュが飲みたい―――
そして、俺の体は深い闇へと落ちていった。
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