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「え?本当ですか?」
「うん、ホント。イヤ?」
「全然イヤじゃないです。むしろ嬉しいですけど、もうたくさんバイトさん雇ってるんじゃ…。」
「それがね、今月末で辞めちゃう子がいてね。夜のバイト君探そうと思ってたところなんだよ。」
「夜って、深夜とかですか。」
「違う違う。普通に夕方から夜にかけて。深夜の子はいるから、安心して。どう?」
「ぜひ、お願いします。」
「オッケー。じゃあ、早速来週からシフト入れちゃうね。今の子辞めたときには、しっかり仕事できるように。あ、それと、内緒でお弁当とか割安で売ってあげるよ。1人暮らしだと、ご飯とか大変でしょ?」
「ホントですか!?助かります。リアルに困ってたんですよ!」
「だろうね。商店街でいろいろ買いあさってる姿、実優が見かけたらしいから。」
クスクス笑う直幸さん。
どこで誰に見られてるか、わからないものだ。
俺は恥ずかしくて顔を赤くして、うつむきながら苦笑いした。
「あれ、直さん何してるの?」
「おう、楓(かえで)。おかえり。」
後ろから、女の人の声が聞こえた。
どうやら、直幸さんの知り合いのようだ。
俺はゆっくり後ろを振り返った。
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