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「さて。こんなところでいつまでも話してたら、怒られちまうな。じゃ、バイト入る日決めたら連絡しに行くから、よろしくね。」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。」
軽く手を振り店内へ戻っていく直幸さんに、深々と頭を下げた。
そして、俺と佐々木さんは2階へ上がっていく。
「宮部君も、ここでバイトするんだね。」
「『も』って言うと?」
「私も学生の時、ここで働いてたから。」
「そうなんですか!?じゃあ、ここに住んでるの長いんですね。」
「うん、4年になるよ。私も、専門学校行くために上京してきてね。そのまま、ずっとここ。直さん夫婦も良い人たちだし、居心地良くなっちゃって。じゃ、またね。」
「はい。また。」
お互い、部屋に入っていった。
隣が女の人だなんて、思ってなかったな。
まぁでも、良い人そうで何よりだ。
東京は恐いとこだなんてよく言われたけど、今のところ良い人たちに囲まれたと思ってる。
それにしても、綺麗な人だったな。
優しそうだったし、さっきも終始笑顔で。
いや、だからって決して一目惚れしたわけでは…。
そう。
地元ではなかなか見ることのない感じ人だから、見入ってしまっただけ。
って、何でこんな言い訳じみたことを考えているんだか…。
この出会いをきっかけに、お隣さんとの付き合いが始まっていった。
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