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疲れ気味でアパートまで帰ると、佐々木さんとばったり会った。
Gパン、Tシャツにスニーカーとラフな姿。
「佐々木さん、今日お休みなんですか?」
「うん。土日に休みない代わりに、平日休みなの。アパレル系とかってそんなもんよ。宮部君は、どこに行ってたの?」
「佐々木さんに言われて、大学まで行ってみたんです。」
「どうだった?」
「めちゃくちゃ大変でしたよ。」
「でしょ?私も経験者だから。私なんて、何も知らないで行ったからビックリしたよ。学校には間に合ったけど、ヘトヘト。」
笑いながら話す佐々木さん。
ふと、手に持っていた本屋の袋が目に入った。
「あの、佐々木さんは本屋に?」
「そう。今日発売のファッション誌買いにね。うちの店の服も載ってるんだよ。」
佐々木さんはファッションの事になると、目を輝かせて話をするみたいだ。
まるで子供のようで、ホントに好きなんだって事がよくわかる。
「そういえば、宮部君どこにも寄らないで帰ってきたの?」
「あぁ、はい。服とか買いに行きたかったんすけど、どこに行けばいいかわかんなかったし。人混みで疲れたし、真っ直ぐ帰って来ちゃいました。」
「ダメよ!いつまで経ってもそんなんじゃ。自分から動かなきゃ。ね?」
「はぁ。どっか、オススメの場所とかありますか?金ないんで、安い服売ってるところとかがいいんですが…。」
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