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佐々木さんは少し悩んでから、笑顔で言った。
「ねぇ、宮部君って古着とかダメ?」
「買ったことはないですが、ダメじゃないですよ。」
「じゃあ、何件か行こうか!」
「え?行こうかって…。」
「最初は1人で行くより、誰かと行った方が安心かなって。イヤかな?」
「そんなことないっすよ!佐々木さんこそ、休みの日なのに良いんですか?」
「家にいてもぼーっとしてるだけだし、全然構わないよ。そのかわり、ちょっと待っててくれるかな?支度してくるから。」
「はい。じゃあ俺部屋にいるんで、支度終わったら呼んでください。」
「オッケー。」
佐々木さんは、階段を駆け上がっていった。
俺も、ゆっくりと部屋に戻った。
偶然とはいえ、佐々木さんと買い物に行けるなんて。
デートみたいだって、俺1人で勝手に舞い上がってしまう。
なんか、夢みたいに都合のいい出来事だ。
ホント、佐々木さんって良い人だな。
壁を見つめ、今頃この壁の向こうで佐々木さんが支度をしてくれているんだな、なんて考える。
仕事行くときみたいなオシャレをするのかな?
それとも、さっきと変わらずラフ?
これじゃあ、彼女を待つ彼氏みたいだ。
しばらくすると、呼び鈴がなった。
俺は急いで玄関に向かった。
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