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やっぱり、プリント系のTシャツがあるといいよな。
自分の気に入るデザインの物を、いろいろあわせてみた。
「やっぱり無難にモノクロね。ね、こういうのは?」
ダメージ加工のロンT。
黒地だけど、所々脱色されていた。
「カッコいいですね。」
「でしょ?あと、黒いジャケットなんかは何でも合っていいよね。茶でもいいね。」
なんだか、佐々木さんすごく楽しそうだ。
「佐々木さんも、こういうとこよく来るんですか?」
「最近は来ないな。自分の店の服を社割りで買ったり、同じ建物に入ってるショップのをセール期間に買ったりしてるから。でも専門学校行ってるときは、よく来たよ。」
「ファッション系の専門学校だったんですか?」
「そ。デザイナーになるのが夢だったんだけど、どうも才能がなくて。でも服は大好きだから、販売員の仕事選んだの。こうやって、人に選んだりするのも好きだしね。」
「そうなんですか。なんか、自分のやりたいこととかあって。俺なんて、まだ何も考えてない。」
「まだまだいいんじゃない?大学行って、ゆっくり考えてさ。沢山友達作って、いっぱい遊びなよ!」
「痛っ!」
力強く、肩を叩かれた。
その後も、佐々木さんの洋服選びは続いた。
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