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俺の生まれ育った町は、はっきり言って田舎。
実家はリンゴ農園だし、兄貴はそれを継ぐため、地元の農業高校を卒業して実家を手伝っている。
俺は、都会に出たかった。
いつまでもこの田舎で一生を終わりたくなかった。
だから、東京の大学を選んだ。
必死に勉強をして、第一希望の大学に合格することが出来た。
合格通知を貰ってから、俺は住む場所をネットで探した。
東京の家賃は驚くほど高かった。
うちも裕福ではないが、家賃を含め月10万の仕送りをしてくれると言ってくれた。
が、家賃が高くて…。
これではほとんど家賃でなくなってしまう。
いろいろ探していると、駅からそれなりに近くて安い物件を見つけることが出来た。
3階建てのアパートで、1階はコンビニになっている。
3階は、大家さんの住居らしい。
2階の3部屋が賃貸で、ちょうど1部屋空いていた。
もうここしかないと思った俺は、すぐに電話をして押さえて貰った。
まだ高校があったので、なかなか家を見に行くことが出来なかった。
結局、引っ越しの日まで家を見ることはなかった。
3月。
卒業式を終えて、家電などを揃えてから引っ越し。
買った家電は、電気屋から直接東京に送ってもらった。
その他の衣類やら食器やらは、うちのバンで運ぶことにした。
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