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「どうかしたんですか?」
「う~ん。」
顎に手を当て、何か考えているようだ。
「ま、後で来るか。」
「どこか寄るつもりだったんですか?」
「あぁ、違う違う。夕飯の買い物よ。まだ昼間でしょ?今買いに来ても、あんまり安いものなくてね。夕方になるとタイムセールで安くなったりするから、後でまた来ようと思ったの。」
「佐々木さん、すごいですよね。そうやって節約とかしっかり考えてて。」
「これね、実優さんに教わったの。こっち来てわからないことだらけだった私に、実優さんや直さんは親切にいろいろ教えてくれたの。東京なんてもっと冷たいものだと思ってたけど、そうでもなかった。」
「俺も一緒です!隣の人の顔も知らないまま、すぎてくんだろうとか思ってたし。」
「宮部君は、どこの人なの?」
「俺は長野です。」
「私は福島。」
「そうなんですか!?全然訛ってないですね。」
「最初はヒドかったけど、こっちで話てるうちに自然と標準語になったの。」
あぁ、だからこんなに肌が白いのか。
なんて、話をする佐々木さんの横顔をまじまじと見た。
話をしているうちに、アパートに着いた。
コンビニの前では、実優さんが掃き掃除をしていた。
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