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4月に入り、いよいよ大学がスタート。
いろいろ不安はあったが、行ってみれば何とかなるもの。
友達も出来た。
1人暮らしの奴も何人かいて、今度の泊まりに行く約束なんかもした。
授業はまだ始まったばかりで、大変になるのはこれからだろう。
バイトは直幸さんが授業が早く終わる日や、土日を中心に入れてくれた。
飯も、なんとかなっている。
自分で作るのはまだまだだが、佐々木さんや実優さんオススメの惣菜屋にタイムセールを狙って買いに行ったりする。
たまに、コンビニ弁当を頼る。
直幸さんが安くしてくれるから。
佐々木さんはいつも変わらず、優しかった。
ゴミ出しの時に会ったりすると、笑顔で挨拶をしてくれたり。
そんな日は、朝からテンションが上がった。
1人暮らしを始めて1ヶ月がすぎ、ゴールデンウイークが近づき始めた頃からだろうか。
少し東京に慣れ始め、生活に余裕が出てきた頃。
ある1つの部屋に、疑問を感じ始めた。
203号室。
そこは夜電気もつかなければ、朝洗濯物が干されてるところを見たことがない。
住人にも、会ったことがない。
もしかして、空き部屋なんじゃないか?
考え始めると気になり、毎日観察するようになった。
1週間、何の変化もなかった。
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