203号室

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バイト中、直幸さんが様子を見に来た。 「宮部君、だいぶ慣れてきたみたいだね。これなら、安心して任せられそうだね。」 「ありがとうございます。あ、直幸さん。ちょっと聞きたいことあるんですけど、いいっすか?」 「ん?なに?」 「203号室って、空き部屋なんですか?俺ここ来るときは、201号室しか空き部屋になってなかったですよね?」 「…。あそこは、空き部屋ではないんだよ。」 直幸さんの顔色が、少し変わった。 いかにも、聞いてはいけないことを聞いてしまった雰囲気。 「あ、そうなんですか。電気ついてるの見たこと、見たことなかったからつい。」 「あそこの人は、夜いないことのが多いからね。」 「へぇ。」 それ以上、聞くのを止めた。 だけど、胸にモヤモヤしたものが残った感じ。 いったい、あの部屋に何があるっていうんだ? ゴールデンウイークに入り、大学が休みの日はしっかりバイトを入れてもらった。 夜10時すぎ。 バイトが終わりコンビニから出ると、佐々木さんにばったり。 「こんばんは。佐々木さん、遅くまでご苦労様です。」 「こんばんは。宮部君も今あがり?」 「はい。今日は昼から入ったんで、大変でしたよ。」 「おぉ、頑張ったね。関心関心。」 佐々木さんの笑顔に癒される、俺だった。
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