1029人が本棚に入れています
本棚に追加
バイト中、直幸さんが様子を見に来た。
「宮部君、だいぶ慣れてきたみたいだね。これなら、安心して任せられそうだね。」
「ありがとうございます。あ、直幸さん。ちょっと聞きたいことあるんですけど、いいっすか?」
「ん?なに?」
「203号室って、空き部屋なんですか?俺ここ来るときは、201号室しか空き部屋になってなかったですよね?」
「…。あそこは、空き部屋ではないんだよ。」
直幸さんの顔色が、少し変わった。
いかにも、聞いてはいけないことを聞いてしまった雰囲気。
「あ、そうなんですか。電気ついてるの見たこと、見たことなかったからつい。」
「あそこの人は、夜いないことのが多いからね。」
「へぇ。」
それ以上、聞くのを止めた。
だけど、胸にモヤモヤしたものが残った感じ。
いったい、あの部屋に何があるっていうんだ?
ゴールデンウイークに入り、大学が休みの日はしっかりバイトを入れてもらった。
夜10時すぎ。
バイトが終わりコンビニから出ると、佐々木さんにばったり。
「こんばんは。佐々木さん、遅くまでご苦労様です。」
「こんばんは。宮部君も今あがり?」
「はい。今日は昼から入ったんで、大変でしたよ。」
「おぉ、頑張ったね。関心関心。」
佐々木さんの笑顔に癒される、俺だった。
最初のコメントを投稿しよう!