上京

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引っ越しの日、親父の運転で東京に向かった。 兄貴は留守番で、母さんと俺の3人で向かった。 初めて見る東京は、ゴミゴミしている印象を俺に与えた。 俺の住むアパートは駅から少し離れたせいか、人の賑わいはあまりなかった。 少し歩けば大通りがあり、そこは別世界だった。 コンビニの駐車場に車を止め、裏の階段を上り3階へ。 呼び鈴を鳴らした。 「はーい。」 「あの、今日こちらの部屋を借りに来た宮部(みやべ)です。」 「あ、はいはい。ちょっとお待ちください。」 中からは女の人の声がした。 ガチャッ 扉が開くと、そこには若い女の人が立っていた。 大家なんて、おばさんのイメージがあったんだけど。 「宮部さんね。今、お部屋案内しますね。まぁ案内するって言っても、3部屋しかないんだけど。」 そう言うと、2階に下りていく。 向かって1番左側の部屋に案内された。 「ここ、201号室が宮部さんのお部屋になります。細かいことは、後ほど契約書と共にご説明いたします。まずは、お荷物などを運び入れてください。」 そう言うって部屋の扉を開けてくれた。
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