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翌日、昼飯を食って親父たちは帰る支度をしだした。
母さんは晩御飯の準備までしていってくれた。
「いい、陽輝(はるき)。おかず作ったから、レンジで温めて食べなさいね。残ったら、ラップかけて冷蔵庫に入れるんだよ。他にわからないことはないね?」
「大丈夫だよ、母さん。子供じゃないんだからさ。それより、うち着いたら連絡くれよ。心配してんだから。」
「何生意気言ってんだ。父さんが運転してくんだから、大丈夫に決まってるだろ。」
「それでもさ。気をつけて帰ってくれよ。」
下まで下り、親父たちが走り出すのを見送った。
さて、細かい部屋の掃除でもしますか。
なるべく明るいうちに済ませようと、階段を駆け上がった。
ふと、隣人たちの部屋の扉を見た。
そう言えば、まだ一度も顔を合わせてないな。
まぁ、まだ来て1日しか経ってないしな。
でも、東京って近所付き合いとかなさそうだよな。
隣に誰がいるかなんて、ずっとわからないままなんだろうな。
そういうところさ。
そう、この時は思っていた。
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