僕の親友は敬語キャラ

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「俺、敬語キャラ目指すわ。」 天気のよい昼休み。 唐突に真剣な眼差しで、ふざけたセリフを言いだしたのは僕の友達、金森裕也。 この台詞から簡単にわかるように、こいつは単なる馬鹿だ。 「とりあえず病院行ってきなよ。」 それに対して、読んでいる本から目を外さずに受け流す。 それが僕と裕也のいつもの会話。 「ちょっ、綾人。俺は真剣なんだ!」 「そう。そのやる気が、少しでも他のことに向けられるといいのにね。」 するといきなり、裕也が僕の机をバンッ!と叩いた。 びっくりして、思わず顔を上げる。 とっても真剣な眼差しだ。 「俺は本気だ。例え、世界の食物がキュウリだけになったとしても、だ。」 「たとえが意味わからねぇよ!」 やっぱり馬鹿だ。
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