行進

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山の頂上に三匹の黒い猫は辿り着いた。 そこには大きな岩があった。 人間も猫も犬も蛇もコオロギも千切れた花びらも、皆が認める神様だった。 人間たちは人間たちのことを祈っている。 「テストで100点取りたい!」 「お小遣い増やして!」 「人の世から戦争が亡くなり、富める者も貧しい者も大人も子どももどの国の人も、平和でいられますように」 「家族が健康でいられますように!」 三匹の猫は静かにしていた。 猫の後ろには犬がいた。 犬の後ろには蛇やコオロギや千切れた花びらがいた。 いつの間にか、その後ろには、沢山の動物や虫や植物や大切なものがいた。
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