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いつか話そうって思ってた事を、話すタイミングは今じゃないかって思った。
あの事を話しても受け入れてくれるなら、そう考えて少し赤くなる。
二人とも、無言で電車に乗ってた。
考えてる事は絶対に別々なんだけど、私の作ったハードルを越えた先は、結局は同じなんだろうなって感じだった。
いやらしい事を、期待してる。
「部屋を片付けるから、ちょっとだけ待ってて」
「う、うん……」
今になって考えると、勝也って純情だったのかもしれない。それとも私の事を気遣ってたから、緊張して上擦ってたのかな。
一人で、部屋に入る。
別に汚れてないし掃除する必要は無いけど、クローゼットからあるものを取り出して、ソファーの前のテーブルに置いた。
「これを見ても、変わらないでいてくれるのかな……」
部屋の外に待たせてる勝也を、いつまでも待たせられないから、すぐに部屋に招き入れた。
何か、吐きそうになるくらいの緊張感。
「その辺に座ってて」
「あぁ、じゃあ……」
私はお茶を入れようと、キッチンでお湯を沸かしてる。
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